哀しき玩具3−友紀の受難−

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1 美貌のOL

「松浦さん?…お昼、一緒にどう。パスタとか、飲茶とか」
 呼び止められて立ち止まると、追いかけてきたらしい声の主はもう目の前にいる。営業の加藤。学生時代アメフトをやっていたという彼は 185 cm 、 90 kg の堂々たる体躯。パスタや飲茶ではとても終業時まで持つまいが、意中の OL にはぴったりのランチだと考えたようだった。
「…ごめんなさい、私…お弁当を持ってきてるので」
 加藤の顔を一度見上げ、精一杯の笑顔を見せるとぺこり、とお辞儀をする。松浦友紀は入社 2 年目の 23 歳。 159 cm のスリムな肢体に制服がよく似合う総務部庶務課の OL だ。加藤は同期入社だが年齢は友紀より 2 つ上である。
「そっか…じゃ、また誘うよ」
「…いえ、あ…」
 もう慣れているからか、さほど残念がる様子も見せずに加藤は去った。どうか私に構わないで、と友紀は伝えたいのだが、そのタイミングを逸してばかりだ。加藤に申し訳ない。
 総務部のデスクに戻ると、今度は 2 年先輩の辻本が近寄ってくる。
「ナイターのチケットがあるんだけど。巨人−広島戦。行かない?」
「…ありがとうございます。私、野球はあまり…」
 辻本は、そうだよね、と言う代わりに大袈裟な笑顔をつくり、友紀の肩をぽんと叩いて離れる。そのまま主任の南条麗のところへ行き、
「主任、ナイターはいかがですか」
「誘ってくれるのは嬉しいけど、松浦の後なわけ」
 麗は 170 cm 近い長身と美貌を誇る入社 8 年目。学生時代はモデルのアルバイトをしていたという。
「いえ、まあ、本命と対抗馬っていうか」
「私は馬かい。それに本命じゃないんでしょ」
 昼休みにも部内にいる数名が爆笑する。友紀もその中のひとりだが、笑顔は淋しげだ。
 麗は辻本の手からチケットを奪い取り、
「いいわよ、一緒に行ってあげる。ありがと」
 その仕草は女王様を彷彿させる。麗がちらりと友紀に視線を送ると、友紀は気まずそうに会釈をし、立ち上がって給湯室へ向かった。
(不思議だわ…)
 麗は思う。あんなに可愛いのに友紀の周囲には男の気配がない。東西電機の本社内には友紀のファンが多く、辻本とか営業の加藤、他の連中もそこそこいい男だが、友紀は彼らを近づけようとしない。身持ちが固いというのとも違う気がする。部署の飲み会は一次会だけで帰るし、社内旅行にも参加したことがない。どことなく陰が感じられ、同性・異性を問わず同僚との接触を避けているかのようである。
 友紀は東海地方の公立高から都内の有名私大に進学し、教養学部を優秀な成績で卒業している。卒業研究は東南アジアの海上貿易発達史だとかで英語も堪能。最初はこの庶務課に配属されたが、いずれ海外事業部か、あるいは美貌を活かして秘書課へ転属になる見込みだった。
 人事部から聞いた話では、採用試験の時にはむしろ明るい、愛嬌のある娘だったという。入社までの半年間に何かあったのか、友紀の変貌ぶりは人事の七不思議に数えられていた。
(そう言えば)
 他にも不審なことがあった。
 松浦はどうして、トイレで居合わせると出て行ってしまうのだろう。
 あるいは、他の個室が空いているのに、どうして一番奥の個室が空くのを待っていたりするのだろう。
 もしかしたら会社のトイレでオナニーでもしているのではないか?−−
(一度じっくりと問い質してみようか…)
 昼食を終えた友紀は早々と午後の業務に取りかかっている。軽くウェーブのかかったセミロングの黒髪。濃紺のカーディガンに、純白のブラウスの胸元を飾る紫系のリボンが映える。その肢体はスリムだが、裸に?けば形のいいバストと尻が現れそうである。腰はしっかりくびれているだろう。あの様子ではまだ男を知らないか、経験はあっても僅かに違いない。
 若いうちに調教を施して、ペットにしてしまうのも悪くない−−
 麗は男女合わせて二十数名の僕(しもべ)を従える「女王」という別の顔を持つ。それを知るはずもないのに、麗の美貌と性のオーラに吸い寄せられてくる者が後を絶たない。その中にこれはという獲物がいれば、郊外某所の別宅で調教し、愛欲の奴隷にしてしまう。辻本も加藤もそのひとりだった。
 女は年下に限定。これはと狙いを定めた獲物に麗のほうから仕掛け、レイプまがいに悲鳴と快楽を絞り取るのだ。
 つい最近、一番のお気に入りの男奴隷が海外に転勤したため、やや手持ち無沙汰を感じるこの頃だ。
 携帯を取る。電話の相手は設計部の宍戸という、下僕のひとりである。
「私よ。ちょっと調べたいことがあるのだけど、手伝ってくれる」
 喜んで、と調子のいい答が返ってきた。

 松浦友紀の身体に異変が起きたのは大学 4 年、 22 歳の秋だった。
 研究テーマに取り上げたアジア某国の首都を、観光も兼ねて卒業記念にひとり訪れた。治安に問題はないはずだったが、不用意に迷い込んだ路地でゴロツキに囲まれ、廃墟に連れ込まれた。処女だった友紀に対し、前戯も何もない、ただ突っ込んでは汚濁を吐き出すだけのレイプ。肉便器のように扱われる友紀はひたすら苦痛に泣き叫ぶ。無論、女の悦びなどは与えられるはずもなかった。現地の警官が駆けつけたのは数名に輪姦され、汚し尽くされた後だった。現地の病院で治療を受けながら、女に生まれたことを友紀は呪った。
 そのとき男たちに塗られた怪しげな薬のせいか、未知のウィルスの仕業か、傷心を抱えて帰国してほどなく、追い討ちを掛けるようにそれは始まった。
 クリトリスと尿道口のあたりが膨らんでいる気がした。熱は帯びているが痛みはない。それで様子を見るうち、肉が盛り上がっていき、やがて突起状になる。一大事だと思いつつ、その形状がまるでペニスのようであったため、恥ずかしくて医者に診せられなかった。肥大化したクリトリスはやがて尿道を融合する。
 成長したそれは、どう見ても男のものだった。クリトリスが変態したものとはいえ、クリトリスと呼ぶには無理がある。いつしか友紀は自らそれをペニスと名付けていた。
 秘裂の周辺には異状は認められない。かくして友紀は両性具有となったのだ。
 性欲が高まるとクリトリスが充血したのと同様にペニスは固く勃起し、しかも刺激を与えれば精液が出る。最初は相当にショックだったが、その瞬間に全身を貫く快感は“女だった”ときのオーガズムをはるかに上回った。異国で悲惨な目に遭い、もう男はこりごりと思っていたこともあって、友紀はペニスをしごく作業に没頭する。もともと性欲旺盛だった友紀は、そのオナニーで少しずつ立ち直っていくことができた。
 普段はショーツの中で秘裂に被せるように後ろ向きに挟み込んでいる。パンスト生地を加工して作った“ペニスガード”で固定しておけば、官能が高まっても勃起することはない。ただし、もとがクリトリスであっただけに、男のものよりはるかに敏感である。射精を知ったばかりの少年のように、一日に一度「抜く」だけではもたないこともある。だから就寝前には必ずオナニーをし、出勤前にもすることが多い。それでどうにか毎日をやり過ごしていた。仕事中に高まることも無論あるが、トイレの個室の壁の向こうで誰かが聞き耳を立てているかも知れず、会社でオナニーをしたことは一度もない。
 友紀のオナニーはこれまた少年のように稚拙だ。ただ手でしごき、射精したくなればする、というだけのものである。射精を限界まで我慢するとか、逆に精液を搾り取るがごとく何度も連続で射精するとか、自らに苦しみを課してより深い快楽を得ようという段階には至っていない。
 もはや男性と愛し合うことは望めない。自らの手でこんなに深い快楽を得られるのならそれで十分だ。このままひっそりと生きていこう−−自分はそんな運命なのだと友紀は自分に言い聞かせた。
 中学生のころから美少女の誉れ高かった友紀は、大学時代はもちろん、会社に入ってからも男たちの目を惹く。慕ってもらえるのは嬉しい。だが、今となっては彼らを遠ざけざるを得ない。その訳を言えないから、自然と、よく言えば物静かな、率直に言えば暗い女を演じることになった。同僚との接触も最小限にし、社内行事はできるだけ休む。泊まりがけの旅行などはもってのほかだった。
 淋しさを紛らすため、いつしか友紀はネットの世界に刺激を求め始めた。
 自分のような身の上の女は、社会ではどう位置づけられているのだろう。ふと気になって、「両性具有」で検索してみると−−
 まず、世間では通常「フタナリ」と呼ばれていることがわかった。犬や猫、そして人間にも、極々まれに存在するとされている。
 私はその、“まれな存在”なのだ−−友紀は自分が辛うじて化け物でないことに安堵を覚えたが、フタナリ娘を取り巻く状況は穏やかではなかった。
 友紀は初め、医学的な説明を求めたのだが−−両性具有・フタナリでヒットするサイトの圧倒的多数は、フタナリ娘を性欲の対象とするアダルト系のものだった。
 鮮やかなイラスト。可愛らしい少女が後ろ手に縛られ、大勢の男に取り囲まれている。少女の股間には、その美貌には到底似合わぬグロテスクなペニスが屹立している。それは見慣れない拘束具で無残にも締め付けられ、先端からは泡が噴き出している。
 少女は涙ながらに懇願する。「お願い、外してっ」「ザーメン出させてっ」−−官能を高められたまま、射精を許されずにいるのだ。
 別のイラストでは、少女が女生徒の集団に押さえつけられている。女生徒のリーダー格が少女のペニスをしごきながら言う。
「いつも体育を休んでるし修学旅行にも来ないから、変だと思ってたんだよね」
 これは、私のことだ−−友紀は思った。
 私の挙動は不審なのに違いない。どんな秘密を隠しているのかと興味をもつ人もいるだろう。それを暴こうと企てる人も現れないとも限らない。もしも、この少女らのように捕らえらでもしれたら−−
 少女に自身を投影しただけで、友紀のペニスはむくむくと勃起する。
 ばか。そんな目に遭うわけにはいかないのよ。
 自身の身体の一部だというのに、こんなにも意のままにならない器官があっただろうか。友紀はよくそう思うのだ。それが友紀自身の意思を反映したものだと、うすうす承知してはいながら−−
 収穫もあった。
 少なくともこのイラストの作者たちにとって、フタナリ娘は欲望の対象だということだった。無論それは女の子が可愛いからこそだが、可愛くなければ欲望の対象にならないのはフタナリでなくても同じ。可愛い女の子にたまたまペニスが生えているのなら、それを虐めてやろうという流れになるのだ。
 私も、該当するのだろうか−−
 可愛いという自覚はある。そして、もともと友紀には少女時代から被虐願望がある。だが−−
 だめ。絶対にだめ。
 変態性欲の対象にされるだけなら、その先には絶望しかない。
 女の子として扱われるのではなく、ペニスを弄ぶためのオモチャにされるのだ。そして、ペニスの存在を暴かれたうえに射精させられでもしたら、女でも男でもない、化け物だとされてしまう。
 そんなことになるのなら、死んだ方がまし−−
 妄想が湧き起こるのを止めることはできない。しかし、妄想は妄想でしかないのだ。友紀は自身にそう言い聞かせる。

 3 日後。南条麗は携帯の画像を眺めて刮目していた。
 松浦友紀が常時使用しているトイレ最奥の個室に超小型の監視カメラを備え付けた。電機会社のこと、麗にはそのくらいのことをしてくれる下僕がいくらでもいるのである。その個室に誰かが入るとレイの携帯に映像がロードされるようになっている。そして−−
 麗は信じ難いものを目にすることとなった。友紀の股間に、あるはずのないものが生えていたのだ。
(ペニスよね、これ…)
 規格外のクリトリスという可能性もある。だが、映像の中の友紀がそれを一旦前方へ取り出し“解放”してから下へ向け、放尿の快感に表情を緩めるあたり、それは男のペニスとしか思えない。平穏時のサイズから想像して、勃起したとしたら 20 cm にもなろうという代物だ。そんなクリトリスはない。
 まさか、松浦友紀は男だったのか?いや−−
 その一点を除けば胸の膨らみも、身体の線も、愛らしい表情も、女そのものだ。では、いったい−−
 疑惑は深まった。そして、上司としてその疑惑を“解明”しようという意欲が湧いたのである。
 金曜の夜。
 友紀は麗から残業を命じられた。もともと予定のない週末であり、上司から指名されては従わざるを得ない。早くマンションに帰りたかったけれど−−
 ここ 1 週間というもの友紀はオナニーから遠ざかっていた。過去に 2 、 3 日空けたことはあったが、 1 週間というのはペニスが生えて以来初めてだ。
 先の週末は両親が来ていて、ずっと一緒に行動。ペニスを隠し通すのが精一杯で、オナニーどころではなかった。それと入れ替わるようにして、月曜からは就職活動中の従妹が泊まりに来ている。
 友紀の下腹には放出のときを待つ精液が充満し、わずかな刺激にも沸騰してしまう。デスクに座っているのも辛い状況だった。その日の朝にようやく従妹が出て行き、帰宅すれば久しぶりに友紀ひとりだ。今夜こそ、好きなだけオナニーができる。終業時刻が待ち遠しくてならなかったのだ。
 他の社員がみな退社したころ、車の中に資料を置いてきたと麗が言う。デスクまで運ぶのを手伝うよう言われ、友紀は麗とともに駐車場へ向かった。麗がドアロックを解除してドアを開ける。麗に背を向けて中へ屈み込んだそのとき。
 友紀は電撃のようなショックを受け、ひとたまりもなく気絶した。麗が手にしていたのはスタンガンだ。麗の車の後部座席にまんまと横たわる友紀。
 その口にバイアグラが押し込まれる。
 そして、 1 時間後−−
 麗の秘密の調教部屋には、制服姿のまま手首を縛られ、調教用のベッドに眠る友紀の姿があった。
 カーディガンとベストを脱がされ、純白のブラウスと濃紺のスカートが天井からの照明に映えている。ベッドは友紀の上半身と下肢を載せるだけのもの。手首はまとめて頭の上方に縛られ、一方、両脚は左右に 60 度ほどの角度に開かれ、足首を固定されている。腰から太腿までは宙に浮いた恰好だ。
 薄暗闇の中に浮かび上がる生贄の肢体を 4 台のビデオカメラと 1 台のウェブカメラが狙っている。ウェブカメラの映像は麗の下僕たちに配信されている。

2 開脚台の上

 誰かが私の名を呼ぶ。頬を叩いている。
「…起きなさい、友紀」
 耳に慣れた上司の声。一瞬、会社にいるような気がしたが、すぐに違うことがわかった。
 そうだ−−突然、鋭い衝撃を受けて−−
 気絶させられた。そして今は、手足を拘束されている。皮のベルト。
 それを感じて覚醒した。目を開けると、主任の顔があった。
「お目覚め?…とても疲れてるみたいね。可愛い寝顔だったわ」
 私は婦人科の診察台のようなものに寝かされている。ただし、両手首と両足首を拘束された、異常なポーズで。
「…何するんですっ…」
 既にカーディガンとベストは脱がされている。
「わかってるでしょ。いいことよ」
 その淫靡な台詞回しに、麗の企みを推し量ることができた。
「…こんな風に縛って、ですか?…」
 そう言って、不自由な身体をよじる。
「あら、そんな悩ましい仕草をされたらゾクゾクしちゃうわね」
「…冗談はよしてください…ほどいてっ…」
 無駄とわかってはいても、抵抗しなくては…
 麗は赤いラバーのボンデージ。長身にハイヒールを履き、肘までを包む手袋をしている。噂に聞く SM 女王そのものだ。こんな別の顔があったなんて。
 SM を強要されるんだ−−
 男性社員たちに意識されているのは十分わかっていたが、同性の上司に狙われていたとは思いも寄らなかった。しかも SM プレイの対象としてだなんて。
「前から友紀に目をつけてたのよ」
 髪を撫でてくる。そのタッチはソフトだが、優しさというよりはペットをしつけるような感触。
「…騙したんですね?…残業だなんて言って…」
「そう思ってくれてもいいわよ。友紀とこうして過ごせることになったんだから」
「…私はいやですっ…こんな…」
 抗うと、麗の両手が私の頬へ、項へと伝い降りていく。
「…あ、うっ…」
 ペニスに鈍い痛み。後ろ向きに固定されたまま、ひどく充血している。朝目覚めるときに勃起していることはよくあるけれど、これほどの鈍痛は記憶にない。
 どうして、勃起しかけてるの−−主任に愛撫されているから?
 それとも、これから始まることに期待して?−−
「うふふ…ね、友紀…あなた、縛られて怖くないの?」
 えっ−−
「大抵の女の子は縛ると怯えて泣いちゃったりするんだけど、あなたは平気みたい。もしかして、こういうのを望んでたのじゃなくて?」
 言葉を失った。確かに、縛られることへの願望はあった。でも、それは妄想の世界でのこと。現実に起こってもらっては困るのだ。
「…そん…」
 そんなはず−−と言いかける私を、麗は遮って、
「ああら、図星みたいね。恥ずかしい願望を暴いちゃって、悪かったかしら」
「…がっ、願望だなんて…」
「いいのよ、恥ずかしがらなくて。友紀はM子ちゃんなのよね?…たっぷり可愛がってあ・げ・る…」
 麗の指は髪、頬、耳からうなじへと指を這い回る。堪えても身体がびくびくと反応してしまう。
「友紀?…まだ何もしてないのよ。そんなに焦らないの」
「…やめてっ…お願いです…私は、だめなんですっ…」
 このままでは身体の秘密を知られる。それはなんとしても避けなくては。
「何がだめだっていうの?…レズビアンがいやなの?」
「…そうじゃ、なくて…」
「心配しないの。その辺の男よりずっといいことをしてあげるから…」
 不意に麗の両手が胸を掴んだ。
「…あ、あっ!…」
「身長は普通なのに小さなオッパイねぇ…でも感度はすごく良さそう」
 指先に力を込めてきた。ブラウスとブラジャーを介してだが、十分こたえる。麗はきっとレズの経験も豊富で、女を弄ぶ手管にも長けているのだろう。女体の官能を知り尽くしたその愛撫に、私の身体は早くもとろけそうになっている。
「…ふう、うっ!…」
 否応なく性感を高められていく私の身体。堪えても、喘ぎ声が漏れる。後ろ向きに固定されたペニスは、勃起の時を待って鈍く疼いている。
「汗びっしょり。気分が出てきたようね?…いいのよ、もっと声を出しなさい」
 麗の手が次第に下半身へ移っていく気配。最悪の瞬間が近づいている。
「…だめっ…だめなんです、主任っ…お願い…」
 ビシィッ!…
 不意に頬を打たれた。そして髪を掴まれ、頭を揺すられる。
「何かお願いするなら、レイ様とお呼びっ!…いいこと?」
「…はい…」
 豹変した麗の迫力にすっかり圧倒された。
「…レイ様、お願いです…」
「何?」
「…私は、お相手をできないんです…」
「おふざけじゃないよ」
 今度は反対側の頬を打たれた。そして、さらに往復で。
「…ううっ…」
 堪えきれず、涙がこぼれた。また髪を掴まれた。
「秘密の願望を叶えてあげようっていうのに、その態度は何?」
「…が…願望だなんて、誤解です…」
「強情ねえ…そういう態度が私を挑発する…ってわからないんだから、困った子だわ」
 抵抗しても無駄のようだ。半ば諦め、このまま麗に秘密を暴かれても仕方がないと思い始めていた。秘密を暴かれたその後には、イラストの少女がされていたように拷問され、快楽を与えられる。
 それは、私がずっと望んでいたこと−−
 身を任せようか。だが、その前に麗に話さなくては。暴かれる前に私から。
「…レイ様…お願いです、聞いてください…」
 心持ち、甘えたような口調になる。
 ふっ、と笑って、私を突き放すようなしぐさ。
「何も聞きたくないわね。あんたみたいな甘ちゃんには、思い知らせてやる必要がありそう」
 照明が一気に明るくなる。様々な拷問器具が目に入り、私を怯えさせる。
 だが、わけても私を驚愕させたのは−−
「…かっ、カメラ?…」
「可愛い顔して眠っているところから、 5 台のカメラがずっと狙ってたの」
 思わず、もがいた。
 麗に弄ばれるだけなら受け入れる覚悟ができつつあった。でも、録画されるのは絶対にだめ。どこで他人の目に触れるかわかったものではない。
「…や、やめて…そんな…」
「友紀が恥ずかしい悲鳴を上げるところ、しっかり撮らせてもらうから」
 麗の手がブラウスのボタンにかかり、上から順に外していく。そして、ブラジャーのフロントホックを外した。
「…いやあっ…」
「ま、みごとな貧乳。でも乳首がこんなに勃起しちゃって…」
 乳首を摘み上げられて、
「…ひい、いっ!…」
 悲鳴を上げた。やがて麗の手が腰から太腿、脹ら脛…と伝い降りていく。
「…ああっ、あっ!…だめっ…だめなんですっ…」
「まだ言ってるの。あんまり騒ぐとかえって具合が悪いわよ」
 何を言っているのだろう−−
「いいことを教えてあげる。 5 台のカメラのうち 1 台はウェブカメラなのよ」
 なっ−−
「…何ですって…」
「安心して。配信先は私のお友達だけ。まだネット公開じゃないから」
 冗談ではない。
「…やめてっ!…お願い、やめてえっ!…」
「大きな声で泣いてると、何ごとだ?って注目されちゃうんだから。可愛い OL が縛られて陵辱されてる映像。みんな保存を始める。ふふふ…場所もわかるから、駆けつけてくる奴もいるでしょうね」
 そう聞いて、びくりと仰け反った。
「総務の辻本とか、営業の加藤とか、大勢いるの。みーんな男よ」
 私の今のこの有様が、大勢の男に?−−
「…ひっ…」
「あれ?…また何か期待した?…男が大勢来ると、どうなるの?全員で友紀を…」
「…いやあっ!…」
「まだ言ってないじゃない。全員で友紀をどうするって?」
 かぶりを振る−−
「何も想像しなかったはずないわよね。ふふ…マワされると思ったんでしょ」
 想像したのは確かだ。この姿勢で縛られたまま、大勢の男に囲まれ、ペニスをしごかれながら犯される自分を−−
「…違う…違いますっ…」
「じゃあ何をされるの?…友紀が何を想像したのか、聞きたいわ」
「…そ、それは…」
「ほおら、わかりやすい子ねえ。想像したってことは、そっちの願望もあったわけね。大勢の男に輪姦されたいのね?可愛い顔して、たいした淫乱だこと」

3 暴かれる

「…く、うっ…あうっ…」
 スカートを落とされ、パンストと靴だけという姿にされてしまった。露わになった太腿に、膝に、脹ら脛に、麗の指が這う。爪を立ててきたりもする。指だけではない。唇や、舌や、歯も。
「友紀は脚がすごく感じるのねぇ」
 すぐに見抜かれるだろうと思っていた。私は全身敏感で、とりわけ脚が弱い。それを見て取った麗が太腿や膝を執拗に愛撫してくる。今はパンストの上からだが、直にされるよりも感じるような気がする。
「…ふうっ…くっ、いやっ…」
 辛すぎる。ペニスはさっきからずっと充血していて、後ろ向きに固定したままでは折れてしまいそうだ。
「気持ちいいの?…感じてるなら、もっと声を出しなさい」
「…かっ…感じたりなんかっ…」
 歯を食い縛った。
「気丈なことね、友紀。虐めがいがあるわ。それじゃ…」
 麗が取り出したものを見て怯え上がった。注射器だ。
「大丈夫、危ない薬じゃない。皮膚感覚が何倍にも高まるだけよ」
「…皮膚感覚って…」
 もう十分過ぎるほど高まっているのに−−
「凄いのよ。風が吹いただけでも感じちゃうんだから…もともと敏感な子はどうなっちゃうのかしらね?」
 どこに打とうかな…と私の全身を見渡す麗。
 腕じゃつまらないし…と、狙いを定めたのは脚。右の内腿だ。
 ぴりり…
 パンストを引き裂き、そこをアルコールで消毒し始めた。
「…いやっ!…いやですっ…お願い…」
「あなたを私のオモチャにしたいのよ。でもガードが固そうだから、薬の助けを借りるだけ」
 ガードが固いも何も、私は縛られていて、どう考えても不利。
「…卑怯だわっ…そんなの…」
「いいじゃない。そんな卑怯な手を使われて、屈服させられるのよ。 M 子ちゃんとしてはゾクゾクするでしょ?」
「…屈服なんて、するもんですかっ…」
 言葉で抵抗するほかなかった。
「いいわよ、友紀。そうやって無駄な抵抗をして、私を燃え上がらせる手ね?」
 何を言っても、麗のほうが上手だ。
 注射器が迫ってくる。内腿の、わけても柔らかい部分に針が−−
「…いやっ…ああ…」
「動くんじゃないわよ。針が折れたら面倒だからね」
 プツリ…
「…ひ…」
「じっとしてなさい」
 入ってくる−−薬液が−−感覚増幅剤が−−
 続けて左の内腿にも来た。
「すぐに効いてくるから」
 麗が言い終わる前から、それは始まった。
 麗が何気なく触れた右の太腿から、ザワリ…と右脚すべてを包み込むような甘美な感覚。
「…あ、ぐうっ…」
 堪え難い切なさに右足を反り返らせると、靴が脱げた。
「足指を捩っちゃって、可愛いわね。そんなに苦しいの?」
 その足指の間に麗の手指が絡んできた。パンスト生地越しでも辛すぎた。
「…ひいいッ!…」
 続けて左の靴も脱げると、左の足指も責められる。どんなに抗っても、脚を拘束しているベルトはびくともしない。ただギシギシと虚しい音を立てるだけだ。
「…やめてっ…お願い、そこだけは…」
「足指がいやなのね?じゃ、こうしましょ」
 麗の指がそこを離れると、足の裏へ来た。
「…いやああっ!…」
 性感のツボでも探るように、麗は親指を押し込んでくる。そこから甘美な感覚が両脚を貫いて秘部にまで届き、ずーんという鈍い痛みが充血しきったペニスを包む。呼吸が苦しい。
「こんなに汗びっしょりになって…いやらしい有様ね。友紀」
 足指と足の裏をひとしきり弄ばれたあと、麗の手がようやく離れた。ぐったりと脱力を許されたのも束の間、麗の手は脹ら脛から膝へと這い上がってきた。
「…ひいいいーッ…」
 蟹が這うような指の動きが性感を煽ってくる。それがとうとう太腿に来たとき、
 びっ…
 後方へ向けて固定したまま充血しきったペニス。その先端から、放出を待ちきれない精液がわずかにほとびり出た。もちろん、煮えたぎる淫欲はそのくらいでは全く解消されない。
(…出てしまった…少しだけ…)
 ペニスガードをしたまま射精してしまったのは初めてのことだった。そのことに狼狽していると、
「今ちょっと変わった反応したわね。もしかして脚を責められるだけでイッた?」
 見透かすように麗が言う。
「…ち、違います…」
 私の精液には匂いがないから感づかれてはいない。そう思いたかったが、
「ああら、パンティにこんな大きなシミを作っちゃって」
 そう言われて、凍り付いた。
 もとより、秘裂は既に愛液ですっかり潤っていた。それに加えて今の射精で、パンティの中はぐっしょり濡れている。そのために−−ペニスガードの輪郭が浮き上がっているのでは。
 麗の手は今も太腿から脹ら脛までを責め立ててくる。だがその苦しい感覚も、秘部に向けられる麗の眼差しに射すくめられたように、どこかへ遠のいていく。
「…見ないで…」
 麗がそこへ触れてくるのは時間の問題だった。
「そろそろ、ここを虐めてほしいわよね?」
 麗の右手が来た。ペニスはペニスガードに包まれ、秘裂に押しつける恰好で挟まれている。
 そして−−麗の手が、ついに触れた。
「…あっ!…」
 それだけで、鋭い感覚がきた。意のままにならない私のペニスは、刺激を待ち望んでいたかのようにひときわ固くなった。
「あれ?」
 それが何であるのか麗は見当がついたのか、軸方向に撫でてくる。
「…いやっ!…あぐっ…」
 再び射精してしまいそうになって、歯を食い縛った。
「友紀?ここにあるのは何?」
 訊かれても、答えられない。
「…お願い…触らないでっ…」
 無駄とわかっても、そう懇願するしかなかった。
「見せてもらおうかしらね…」
 そう言うと、麗はショーツごとパンストにハサミを入れ、引き裂く。
 一緒にペニスガードも破れた。
 だめっ−−
「…見ないでっ!…いやあっ…」
 解放されたペニスがぐん、と勃ち上がった。秘裂からの愛液と、先端からほとびり出た精液に汚れたそれは、麗に挨拶でもするかのように静かにゆらめく。
「あらあら…驚いたわ」
 泣きじゃくる私に構うことなく、触れるか触れないかというところに手をかざし、麗はそれを観察する。
「こうして見る限りでは、男のものと同じね…友紀?」
 顔を起こすと、麗と目が合った。
「これは何?」
 私はそれをペニスだと思っている。でも、言いたくはない。
「…クリトリス…」
「規格外のクリにしては大きすぎるわね。あなた、ニューハーフか何か?」
「…違いますっ…女です…」
 そう言ってから、また涙が出てきた。
「…いえ…女、でした…」
「どういうことか話して」
 全裸で縛られたまま、髪を撫でられながら、私はひとしきり身の上を話した。大学 4 年、 22 歳のときにそれは始まり、やがて肥大化したクリトリスが尿道を融合して、いまの姿になったことを。
 射精することや、それでオナニーをしていることは黙っていた。
 異国で輪姦されたことも。
「そうだったの。可哀想にね…こんなに可愛いのに」
 思えば少女時代から「可愛い」とよく言われてきた。でも、今ほどそれを辛く感じたことはない。多少器量が悪くても、普通の女でいたかった。
 そうやって麗と話している間にも、私のペニスは一向に萎える気配もなく勃起したままだ。麗はそれをまた観察している。
「…見ないでください…」
「恥ずかしがることないわ。これはこれで可愛いじゃない」
 話しているうちにふと、麗と私は普段の関係、つまり上司と部下に戻っているような気がした。
 それで、気を取り直した。
「…レイ様…」
 さすがに「主任」とは呼べなかった。
「何?」
「…お願いします。もう、これで許してください…」
 麗は無言で私を見ている。言葉が足りないのだろうか。
「あの…もしも私を哀れに思われるのでしたら、これ以上辱めないで…」
 最後まで言い終わらないうちに、
 ほほほほほ…
 突如、麗の高笑いが響いた。
「つくづく甘ちゃんね、友紀」
 だめだった−−
「今や、あなたの秘密は私や奴隷たちと共有するに至ったのよ」
 はっ。
 そうだった−−ウェブカメラに捉えられていた。
「ただでさえ珍しいフタナリ娘。しかもこんなに可愛い子を、何もせずに逃がすわけないじゃないの」
 少なからず衝撃を受けて、身悶えた。開脚台がぎしぎしと音を立てた。
「末永く楽しませてもらうわよ。徹底的に快楽を教え込んでね…それに」
 麗が顔を寄せてきた。
「ホントはあなたも、ここで止められちゃ困るんじゃなくて?」
 心外だった。一時的とはいえ、この陵辱者に取り入るような態度を取ったのが恥ずかしかった。
「…どういう意味ですか」
 まだ涙に濡れている目で睨んだ。
「 M 子ちゃんとしては、こうして縛られてるだけで官能は高まる。全身の性感帯をいじられ、感覚増幅剤を注射されて、友紀の身体の中には欲望のマグマが煮えたぎっている。そうよね?」
「適当なこと、言わないで」
「そうかしら?…屈服するもんですか、だなんて気丈なことは言ったけど、今もイキたくてたまらないのでしょ」
 麗は私の太腿の向こうに陣取った。秘部を凝視している。
「ほんと…クリトリスのところから生えてる。っていうか、クリトリスが育ったのね」
「…見ないで、って言ってるでしょう…」
「どうなの。気持ちよくなりたいでしょ」
「そんなわけ、ないじゃないですか」
「友紀のワレメちゃんもぐしょ濡れ。ペ二クリちゃんも先端が濡れてるわよ」
 不意に、麗の指がペニスに触れた。
「…くっ…」
 指がペニスの竿を伝い、上ってくる。そうされるだけでも官能が高まり、腰が動いてしまう。
「…さっ、触らないでよ…」
「友紀?…こんな秘密を抱えてたら男と縁はないわよね。ずうっと溜め込んできた欲望を解放してあげようって言ってるのよ。ありがたく思わないの?」
「思いません。お断りします」
「困ったご主人ねえ」
 麗はペニスに話しかける。私よりペニスに話したほうが早いとでもいうように。
「クリトリスが育ったものなら、さぞかし敏感なんでしょうね」
 不意に、麗の手がそれを握った。
「…うあっ…」
「こんなに固くなって…」
 おもむろに、上下にしごき始めた。
「…あああっ!…」
 激しい感覚にびくん、と仰け反った。
 麗の手が私のそれをしっぽりと包み、強く握りしめたかと思えば、指で摘み、揉むようなタッチに変えてくる。軽く爪で触れてくるのも計算なのに違いない。
 上下運動は急に速くなったかと思うと、緩慢になったり。静止するときは根本を締め上げる。
「ふふふ…男たちのは、こうやって嬲り倒すんだけど」
 これが女王様のテクニック−−いつも私がオナニーでしているのと全然違う。
 あまりの官能に脳内が痺れてくる。むらむらと燃え盛る淫欲。
「女の子のクリトリスをこんな風にしごくのは初めてよ。当然だけどね」
「…あぐっ…だ、だめぇ…」
 感じては、だめ−−
「だめ…って、何が?」
 このまま続けられたら、出てしまう−−
 麗は右手で私のそれをしごきながら、左手は太腿をさすってくる。
「友紀ったら、汗びっしょり…どうして歯を食い縛ってるのかしら」
 返答のしようがなくて、かぶりを振る。
「まさか、射精でもするの?」
 はっ−−と顔を起こした。ついに、最も恐れていた質問。
「あら、図星だった?」
 無論、肯定するわけにはいかない。麗が男性を相手にするとき−−どんな風にするのか想像もつかないが−−弄びながら射精させるのだろう。私も、今のこの流れで「射精する」と言えばさせられてしまう。
 想像もつかない麗の手管にかかって、射精させられる−−
 それを想像すれば、下半身を灼く淫欲に理性が負けそうになる。でも、だめ。
 射精するところまで見られて、そしてビデオに収められたら−−
「どうなの」
 ともかく、麗の手の動きを止めなくては。咄嗟にそう思って、
「まさか…射精って…男の人の、あれでしょう?…」
 つい、そんな芝居がかった台詞が出てしまった。
 すかさず、頬を打たれた。
「よくもそんなとぼけたことを言うわね」
「とぼけてなんか、いません。だって私、女ですよ」
 ひるんではいけない−−
「そう。友紀は女の子で…それはクリトリスだから、射精はしないのね」
 ローションを垂らされた。ひんやりとした感覚がまた性感を煽ってくる。
「…ふ、うっ…」
「じゃ、射精のことは横において、楽しみましょうか」
 えっ−−
「…楽しむ、って…」
「男を調教するときペニスを嬲り倒すように、女の子を調教するときはクリトリスを嬲り倒すの。クリをしごいてイカせまくるのよ」

「…ぐっ…あぐ…うっ!…」
 開脚台に四肢を拘束された哀れな生贄が、淫欲を煽られ、涙を散らしながら悶え苦しんでいた。
 両手を頭の上で戒められて、乳房から腋、腹部までがローションと汗に光る。上半身にまとわりつく純白のブラウスも汗にまみれて肌が透けている。両脚は 60 度ほどの角度で固定され、足首を固定されている。ベッドは友紀の上半身と下肢を載せるだけのもので、腰から太腿までは宙に浮いている。
 その両脚の間に椅子を置いて陣取った麗は、友紀の股間に屹立するものを弄んでいた。ローションを垂らし、時に唾液を追加してはにちゃにちゃとしごく。何十人もの男奴隷もを屈服させてきた麗にしてみれば、ペニスの扱いは男ども以上にお手の物だ。
 ペニスへの責めが始まってから、そろそろ 30 分になろうとしている。その間、断続的に襲ってくる絶頂の波に、友紀は必死に抗っていた。
 友紀をやすやすと絶頂させる気は、もとより麗にはない。限界まで焦らすのが流儀である。
「…くっ!…うう…あ、あっ…」
 今にも射精してしまいそうな感覚に苛まれながら、友紀はただ歯を食い縛り、喘ぎ続ける。
 もとがクリトリスであったため、友紀のペニスは男のそれの数倍敏感である。わずかな刺激で沸き立つ淫欲を、日に何度もオナニーをしてやっと鎮めている日常だ。そんな友紀が今日に限ってここ 1 週間オナニーをしていない。つまり、パンパンに「溜まって」いる。その上、麗の手でバイアグラを盛られ、いつにも増して充血の度合いは甚だしい。
 だから、友紀のペニスはいつ暴発してもおかしくない状態だった。最初に脚を愛撫されて一瞬、わずかに放出はしたが、沸騰する精液の勢いがそれしきのことで解消されるはずはない。むしろペニスの感度は高まり、必死に抗う主人を嘲笑うかのように、噴出のときを求めている。
 尿道口からは透明な先走りの液が滲んでいる。そしてまた、女の秘裂からは夥しい量の愛液がねっとりと滴っている−−
 もうだめ、と何度思ったことだろう。麗の手にあと一往復しごかれたら、あるいは麗があと少し、指に力を込めたら、出てしまう−−
 そうして友紀が追い詰められるたび、麗は手を休めるのだ。
(…助かった…)
 今もまた、何度目かの危機から立ち直ったところだった。
 何としても射精のシーンだけは見られるわけにはいかない。 5 台のカメラに狙われ、うち 1 台の映像は麗の奴隷たちに配信されているのだ。
 麗はその手を休みなく動かし続けるわけではない。手を休めたり、左右の手を替えたりする必要があるからだ。動作の切れ目まで持ちこたえさえすれば、射精させられずに済む。
 そう必死に念じて、友紀は堪えている。そのつもりだったが−−
 それもまた、麗に弄ばれているのに過ぎなかった。友紀が射精を堪えようと必死であるのを計算し、ペニスの反応を見ながら、絶妙のタイミングで射精を喰い止めているのだ。
「友紀、射精したいの?」
 肯定するわけにはいかず、かぶりを振る。
「もう、出したくて出したくて、おかしくなりそうなんでしょ?」
 そんな風に言われるだけで射精してしまいそうだ。だが−−
 何もかも見透かされているようなのが友紀は悔しくて、
「…射精、なんて…しませんっ…」
 喘ぎ喘ぎ、そう言ってしまう。
「本当?そろそろ正直に言いなさいよ。言えば射精させてあげる」
 麗の誘惑に対しても、
「…言いませんっ…射精したいも何も、しないんですからっ…」
 と抵抗する友紀だ。
「そう。それじゃ、どんなにいやらしいことをされても何も出さないわね?」
 射精させるためには手段を選ばない、とでも言うかのようだ。
 怯える友紀を見据えてローションを追加する麗。その手が再び動き始める。
「…あう、うっ…」
「言っておくけど、私の手にかかって最後まで正気だった男も女もいないのよ。半狂乱になって泣きながら許しを請うの。フタナリも同じ。覚悟しなさい」
 麗の手は、友紀が我慢できるギリギリの所まで動いてはぴたりと静止する。ペニスを休ませている間は乳房や太腿への責めに余念がなく、しばらくすると再びペニスをしごき出す−−
 焦らし・寸止めは、射精を我慢した経験がない友紀にとって拷問そのものだ。
「苦しいんでしょ?我慢も限界を超えると身体に毒よ。射精させてくださいっておねだりしなさい。そのかわり、射精したら私のオモチャになるのよ」
 麗のテクニックで我慢させられているのを、友紀はいまだ、自力で堪えているのだと勘違いしている。だから、麗にいくら促されても友紀は拒んだ。
「今のうちに楽になっておいたほうがいいんじゃない?…でないと、もっと辛いことになるわよ」
 この後に及んで、なお辛い責めが待っているのか−−
 友紀にはその想像がつくはずだった。だが、今にも噴き出しそうな淫欲を抑えるのが精一杯で、何も考えられない。ただ、射精すまいと念じるだけだった。
 そして−−
 ピン、ポン…
 麗の下僕たちに集合がかかっていたことを、友紀はそのとき思い出した。

4 追い詰められて

「来たわね」
 ショックで射精しそうになった。
 半裸の状態で開脚台に拘束され、股間には限界まで充血したペニスが屹立している。その先端にも女の秘裂にも、煮えたぎる淫欲の証の液体が滲み出している。こんな姿を男性に−−しかも会社の人に見られるわけには行かない。
 鍵を開けるため麗が玄関へ向かう。
「…待ってっ!…お願い、誰も入れないで…」
 無駄とわかってはいても、訴えずにはいられない。
 ガチャリ…と、鍵の開く音。
「待ってたわよ」
 男の足音。ひとりではない。 2 人や 3 人でもなさそうだった。
 射精を我慢していることも忘れた。熱に浮かされたように身体が震える。
「こんっばんわー、松浦さん」
 麗の言った通りだった。営業の加藤に総務の辻本。そして設計の宍戸をはじめとして、顔だけは見覚えのある社内の男たち。広くて薄ら寒く感じられていた調教部屋が、窮屈に思えるほどだ。
「集まったわねぇ…ちょうど 20 人?」
 開脚台に縛り付けられ、乳房も、秘部も露わにされた状態。全身に塗りたくられたローションと、私自身の汗。顔には涙のあとが残っているはずだ。女としてこれ以上はないという恥ずかしい恰好で、大勢の男の視線に晒されている。
 普通の女であったなら、どうだろう−−
 最悪の不幸として受け入れられただろう。可愛いと評判の OL が上司の罠に墜ちて、性の生贄に供されるという構図。官能小説のヒロインそのものだ。
 だが私の場合、女として許されざるものが存在感たっぷりに屹立している。痛々しいほどに充血し、先端から滲んだ苦悶の液体がローションや麗の唾液に混ざり、天井と側方からの照明にてらてらと光っている。
 男たちは無言。みんな、私のペニスを凝視している−−
「…見ないでぇ…」
 死んでしまいたい。いくら恥ずかしくても、顔の半分を二の腕に押しつけることしかできない。
「友紀ちゃん…」
 それに顔を近づけていた辻本が、ようやく口を開いた。
「可愛い顔とスリムな身体に、似つかわしくない巨根なんだね」
 えっ−−
 「巨根」という文字はすぐに浮かんだ。でも、自分のことを言われているとは、すぐにはわからなかった。
 私の、それが?−−
「参ったな。俺のよりずっとでかいじゃん」
 そんな−−
 ペニスが生えているだけで十分忌まわしいのに、私のは巨根なの?−−
「友紀は他人と比べる機会がなかったからね。並みの男が引いてしまうくらい立派なのを知らなかった」
 麗が言う。
「みんな、そこに付いてる貧相なものを友紀に見せておやり」
 命令が下ると、男たちはズボンとパンツを下ろした。
「…いやっ…」
「見てごらん」
 麗に瞼を開かれた。既にことごとく勃起しているそれらは、果たして私のものより小振りだった。
「…あ…」
 恥ずかしさに追い討ちをかけられるようだ。
「最初に見たときから大きいのはわかったんだけど、黙ってたのよ。男性陣が揃ってから実際に比較したほうが、思い知らせるには効果的だものね」
 思い知らせるって−−
「こんなグロテスクで巨大なものを生やしてるなんて、変態だわ」
 ひどい−−
 うっ、うっ…と嗚咽が漏れる。でも、どんなに恥ずかしくとも、ペニスの充血が治まるわけではなかった。
「ねえ、ところであんたたち、手伝ってくれるのよね」
「もちろん」
 麗の問いに、男たちが声を揃える。
 てっ−−
「…手伝うって…」
 どういうこと?−−
「決まってるじゃない。友紀を屈服させるのよ。その応援に呼んだんだから」
 輪姦されるのじゃない?−−少なくとも、今すぐにではない?−−
「…友紀?」
 してやったり、という顔で麗が見下ろしてくる。
 しまった。と、そう思ったときには遅かった。顔に出た狼狽の色を読まれた。
「この連中を呼んだのは私の手足として使うためよ。何だと思ったの?」
 先のやりとりで麗はとっくに知っていた。大勢の男がここへ来たら輪姦される、と私が思いこんでいたのを。
 言葉が出てこない。
「何で黙ってるの?…さっきはウヤムヤになったけど、改めて訊こうかしらね。そんな風に縛り上げられて、裸に剥かれて、大勢の男に囲まれたら、何が始まると思ってたの?」
 それを暴露するつもりだ。くくく…と、男たちの間にも下卑た笑いが漏れる。
「…やっ…」
 やめて、と言う間もなく、
「マワされるんだって思ったのよね。マワされたいのよね」
「…いやっ!…」
 思わずそう叫んだ。
「否定しないのね?…違うわっ!輪姦はいやっ!…じゃないのよね」
「…ちっ、違いますっ!…」
「輪姦はいやじゃないのね?」
 何が何だかわからなくなった。麗も男たちも声を上げて笑うのに堪えきれず、泣きじゃくった。
「こんなものが生えているくせに輪姦してもらおうだなんて。可愛い子ぶるにもほどがあるわね」
 麗は容赦ない。そこまで言うの−−
「身の程を知らない勘違い娘は、徹底的に懲らしめてあげなくちゃ」
 亀頭を爪で弾かれて、
「…あうっ!…」
 悲鳴とともに仰け反った。
「あなたたち。友紀の身体の、どこでも好きな場所を可愛がってあげて」
 男たちは上半身も裸になり、手に手にローションを取り始めた。
「…なっ…」
 何をするんです−−そう言う前に、淫靡な感覚に呑み込まれた。
「…あううううッ!…」
 無数の手が全身に這い、愛撫を始めたのだった。
「友紀ちゃんの身体にやっと触れたよ」
 男たちの登場のせいでしばらく引いていた官能が、強引に呼び覚まされた。  私の手指から足指までそれこそ隈無く、ローションにぬめる 200 本の指が撫で、摘み、爪を立ててくる。乳房、乳首、脇の下、脇腹、太腿、脹ら脛、足の裏。男たちが私の肌に欲望を揉み込んでいく。無事なのは背中くらいのものだ。
「…いやっ!…あぐっ!…」
 激しい性感の渦に全身を呑み込まれて、息ができないほどだ。
 もともと全身が敏感なのに、とりわけ弱い左右の脚には感覚増幅剤まで見舞われているのだ。縛られて自由のきかない手足をさらに押さえつけられては、かぶりを振る以外に抵抗する術はない。その首にさえ、男たちの指は来る。
 男たちはやがて唇を這わせ始めた。
「…ひいいいーーッ…」
 ぺちゃぺちゃといやらしい舌使いの音も、私の脳を苛んでくる。
 彼らは私の反応を確かめながら、どうすれば私を追い詰めるのに効果的か、探っているようだ。脇腹から乳房にかけて揉み上げられて背中を湾曲させると、脇腹や乳房に腹に加勢が来る。太腿に歯を立てられて悲鳴を上げれば、脚にまとわりつく男たちが一斉に歯を立ててくる。
「…やあっ!…やめて…くるし…」
 全身を襲ってくる性感は一時として同じではない。次は何がくるのかと身構えることもできず、次の瞬間には思いがけない部位に新しい刺激が与えられるので、身体も頭も休ませてもらえない。
 どうやら、男たちは最初に取り付いた部位から少しずつポジションを変えているらしい。 20 人全員が私の全身を味わい尽くそうとしているかのようだ。
「泣き声が可愛いすぎるんだよ」
 まるで、私を責め立てて悲鳴を上げさせるのに快楽を覚えているよう−−
 そして私が疲れ果てて反応も弱まり、責めに身を委ねてしまいそうになると、
「友紀が退屈し始めてるんじゃないの。もっとテクニックを使ってあげなさい」
 容赦のない麗の一言で、彼らはさらに技巧を弄し始めるのだ。
 1 対 1 なら−−つまり、ひとりが私の全身を責めるのだとすれば−−技巧で麗に叶う男はいないに違いない。だが、全身の性感帯の一箇所に取り付いて責めるという設定では、 20 人の一人ひとりが麗と同等以上だと思えた。
 麗は私をオモチャだと思っているが、男たちにとって私は欲望の対象。だからみな夢中で、しかも執拗に貪ってくる−−
 私はこれまで男の手で愛されたことなどないも同然だったのに−−そして、さっきまで、麗ひとりに弄ばれただけで精根尽きかけていたのに−−
 20 人がかりなんて−−と、思うとまた官能が高まってしまう。
「…あぐうううッ…」
 このままでは、気が−−
「友紀?…辛いでしょ。そろそろ降参してしまったら?」
 それは−−
 顔を背けた。
「あら…もしかして、こんな風に責められて気持ちよくなってきてるの?これがずっと続けばいいとか?」
 そっ−−
「…そんなこと、ありませんっ…」
「それじゃ、まさか物足りないとか?」
 信じがたいことを言われて、絶句した。すると、
「まあ、そうだったの」
 わざとらしく麗が言うと、
「そうかあ。友紀ちゃんはこれでもまだ退屈ですか」
「オッパイとかフトモモは急所じゃないからな」
 急所、と辻本に言われて、怯えた。その表情を見て取られた。
「おいおい」
 顔を覗き込まれた。
「急所にはまだ何もしてなかったもんな。おねだりか」
「…ち…」
「わかったわかった。レイ様、よろしいですか」
「いいわよ」
 麗に目で合図をして、辻本が私の太腿の間に陣取った。
 ペニスにくる−−
「…いやっ、触らないでっ…」
「触るって、ここにか?」
 指さして辻本が言う。「急所」と言われればそこしかない。
「なんだ、巨根をしごいてほしかったわけか」
「あらあら、やっぱりおねだりだったわね」
 あっ−−
 なんということだろう。女としての急所を忘れていた。
「男としては、責めたいのはこっちだったんだが」
 舌なめずりする辻本は、私の秘部に狙いを定めていた。
 クンニリングス−−
 もちろん初体験だ。でも、どんなに激しい刺激なのか想像はできる。そこにはまだ全く触れられてもいない。だから感覚は一層強烈なのに違いない。
「…だ、だめ…」
 いま、それをされたら−−間違いなく、いってしまう。
 ペニスでのオナニーばかりしているが、もちろん秘部でも絶頂する。しかも、いきやすい体質だ。
「どっちなんだ。ペニスをしごいてほしいのか。クンニをしてほしいのか」
 そう言われるだけで達してしまいそうだ。返答に窮していると−−
「じゃ、決めてあげる。辻本君、まずはしてあげて。クンニ」
「御意」
 辻本の顔が太腿の間に沈んで−−
「…いやっ!…」
 仰け反ったのと同時だった。ぺちょっ…と生暖かい肉が吸い付く感覚の次に、神経をまとめてねぶられる感覚が貫いてきた。
「…あああああッ!…」
 極上の快楽だと聞いていた。だが、そんなものではない。ただ激しい刺激が脳天まで突き上げてくる。苦し過ぎる。こんなにも辛いものなんて−−
 成り行きを見守っていた残りの男たちが責めを再開する。
「…ああっ!…うっ、いやっ…あぐっ…」
「クンニ、初めてなんでしょう。いまに気持ちよくなってくるからね」
 なだめすかすように麗が髪を撫でてくる。
 辻本の舌は秘裂の襞を 1 本ずつ抉るように這っては唾液を塗り込めてくる。愛液をすすっていたかと思うと、アヌスから縦に舐め上げる。膣内にも舌先が入り、内側の粘膜を抉ってくる。
「…ああっ…そんなっ…うっ…」
 抵抗する気力がなくなってきた。
 そして、ただただ激しいだけだった感覚が、快感に変わってきた。
 いきそう−−
 ペニスでの射精は絶対に堪えなくてはいけない。でも−−
 女の秘部を責められていかされるのは、女として、恥ずかしいことではない。
 そんなふうに思うと、辻本の舌の動きに身を任せたくなってしまう。
「…うっ…ああっ…」
 ぐん、と背中が湾曲する。
 このまま、いかされたい−−
「初めてのクンニで恍惚状態ね、友紀…辻本くんは上手でしょう」
 麗の一言に再び目を見開くと、麗の顔がまた正面にあった。
 顔面に血液が集まる感覚。
「お気に召して何よりだよ」
 太腿の向こうを見れば、辻本の頭は私から離れていた。
 やめないで−−そう言いたくなるのを堪えた。
「クンニでイカせてもらう?…なら、ちゃんとおねだりするのよ」
 いまも腰が動いてしまいそうになる。辻本の手にその腰をしっかと掴まれて、秘裂をめちゃめちゃにねぶられたい−−
「どうなの。言わなければ、ずっとこのままよ」
 ぺろん、と辻本の舌が秘裂をなぞった。
「…いいいっ…」
「言いなさい」
「…いかせて、ください…」
 言ってしまった。麗から合図があり、辻本の頭は再び私のそこへ沈む−−
「…はううっ…」
 いったん引いていた官能がまた疼き始める。残りの男たちも責めを再開した。
 このまま、いかされるのだ−−
「ねえ、ところで、友紀」
 呼吸が苦しい。いまは話しかけられたくないのに−−
「クンニでイクとき、ついでに射精してしまうってことはないかしら?」
 はっ。
 いつものオナニーでは、ペニスをしごいて射精するだけ。ペニスが生えてからは、女の秘裂ではオナニーをしていない。だから−−
 秘裂で達するとき、射精もするのかどうかは、わからない。
 してしまうかも−−
 今も辻本は巧みな舌使いで私を追い詰めてくる。いかせてほしいとねだったのだ。私をいかせようと執拗に責めてくる。
 いけない−−
 落ち着いて考えることなどできない私は−−
「…辻本さんっ…お願い、やめてっ…やっぱり、だめっ…」
 喘ぎ喘ぎ、そう訴えた。責めは止まり、辻本は離れた。
 最悪の事態は避けられた。でも−−
 いままた麗がペニスに触れようとするのを見たとき、私は思い出した。
「射精してしまうかも知れない、と思ったのね?」
 あ−−
 もう、遅かった。きっと麗には初めから見透かされていたのだろう。
「射精なんかしないのじゃなかったの」
 ばれてしまった。でもやはり、私の口から射精するとは言えない。それで、
「…お願い…それは…もう…」
 絶頂させられる寸前まで喘いでいた。まだ呼吸は追いつかない。
「認めるのね。友紀はその巨根から射精するって」
 こくり、と頷いた。
「それだけ?」
「…何が、ですか…」
「私に嘘をついていたわね。せっかくあなたに快楽をあげようとしていたのに」
 そんな物言いがあるだろうか。
「…それは、すみませんでした…」
 そうは言ったものの、釈然としなかった。
 だから−−
 私は全裸で縛り上げられていて、麗と 20 人の下僕に取り囲まれ、性の拷問を受けている。その絶望的に不利な状況も顧みず、愚かにもこう付け加えた。
「…快楽をほしいだなんて、私から頼んだ覚えはありません」

5 屈服のとき

 2 時間後である−−
 友紀はなおも、開脚台の上にいた。
 男たちは飽きもせずに友紀の全身を弄んでいる。ローションを適宜追加するのはもちろん、夥しい数のピンクロータ−とマイクロバイブを手に、友紀の全身から微細な性感のツボをえぐり取っていた。
 太腿の間には交代でひとりが陣取り、クンニリングスを施している。クリトリスからアヌスまで丹念に味わいつつも、刺激はわざと緩慢にして、友紀の淫欲の沸騰状態を絶妙に保っている。それでも友紀は繰り返し絶頂させられていた。
 そして、友紀の股間−−
 限界まで怒張しきったペニスは、 2 本の細紐で締め上げられていた。 1 本は竿の根本、他の 1 本は竿の中程だ。精液の噴き出ようとする圧力がいかに高くとも、尿管を通過することはできない。
 だから友紀はいまだに射精を果たしていない。させてもらえないのである。
 一方、女の秘裂では、もう 50 回近くも絶頂していた。
「…いくっ…」
 一瞬、友紀の全身が開脚台から浮き、そして沈む。全身ががくがくと波打つ。
「よんじゅう、はちかいめっ」
 絶頂をカウントする声がある。
 友紀は最初、無言のまま達していたが、
「適当な回数に到達するまで止めないからね、ただし『いく』って自分で言わなければ、数えてあげないわよ」
 麗に言われて従うこととなった。だが、いったい何回絶頂すれば止めてもらえるのか、友紀は知らされていない。そんな回数など決まってはいないのだが。
 20 対 1 の性感拷問は過酷さを増すことはあっても、責めが緩むことはない。友紀はもともといきやすい体質であったから、一度絶頂に追い遣られた後は、まさに続けざまだった。そのまま 50 回近くまできているのである。
 ああ−−しかし、友紀のペニス。
 麗が予想したとおり、女の秘裂での絶頂はペニスでの絶頂と連動していた。だが、たった 2 本の細紐が射精を禁じている。秘裂では 50 回近くもいかされているというのに、ペニスでは一度も許されていないのだ。
 ペニスへの血流も滞っているため、亀頭部は紫色に腫れている。
「…お願いっ…ほどいてっ…出させてぇ…」
 あのイラストの少女を思い出しながら、何度懇願したか知れなかった。
「もう限界なのね?友紀…でもまだよ。限界を超えてからが面白いんだから」
 麗はそう言って友紀を絶望させ、そして追い詰めていく。
「友紀、こっちをごらん」
 いま、麗の手にはローションをたっぷり含ませたガーゼがあった。
 両手でぴん、と張りを持たされたそれが、ペニスに近づいてくる。
「…なに?…何をするんです…」
 怯える友紀。もちろん、ペニスを責められるのだ。
 この期に及んで新しい責めが始まるとは思わなかった。
 麗はそれを亀頭部に押し当てると、
 ごしごしごしごしごしごし…
 靴磨きの要領で摩擦し始めた。
「…いいいいいいッ!…」
 ガーゼは当たる角度を絶妙に変化させ、敏感なくびれの部分をぐるりと舐めていく。ペニスはこれ以上ないというほどに固く屹立しているので、麗にとっては仕事がしやすい。
「…ぐう、ううッ!…」
 あまりの感覚に悶絶しかける友紀。縛られて身動きできないまま、かぶりを振る以外に何もできない。
−−快楽をほしいだなんて、私から頼んだ覚えはありません−−
 そう啖呵を切った友紀は、ものの見事に報復されていた。細紐で締め上げ、射精したくてもできない状態にされ、絶頂の波だけは押し寄せて通過するのである。寸止め拷問とも違う、人類の女にも男にも未体験の責め苦であった。
 クンニの役が交代する。いきなりローターでペニスの根本を刺激し始めた。
「…あううっ…」
 たちまち絶頂の波がきて、
「…いく、うっ!…」
 昇り詰める。だが、やはりペニスはびくびくと痙攣するばかりだ。
 ローターはまだ離れない。
「…ああっ…いくっ!…」
 わずか数秒の間に 2 回。それでちょうど 50 回絶頂したところで、友紀は半ば失神した。それでもペニスは勃起したままだ。
 加藤が口移しで水を飲ませる。大量の汗をかいて水分を失っていた友紀は、その水にバイアグラの錠剤が紛れているとも知らず、貪るように飲み込む。
「友紀?…お待ちかねのやつを始めるわよ」
 今の友紀にはその意味はわからない。
 上半身を乗せた台が角度を変え、友紀の腰は男たちの腰の高さに持ち上げられた。両脚は 60 度ほどに開いた状態。ペニスはほぼ鉛直に、天井めがけて屹立している。
 太腿の間に辻本が立つ。その両手が腰のくびれを捉えたとき、友紀は覚醒した。顔を起こすと、太腿の向こうで自分の秘部を狙っている男根があった。
「…いやあっ…」
 ずい、と貫かれた。
「…あああーーーっ…」
「この時を待ってたんだろ」
 とうに体力は尽きている。辻本が腰を律動させるたびに友紀の身体は虚しく揺すられる。
「お前のには負けるけど、俺のもなかなかのもんだろ。ずいぶん狭いぜ」
「…うううっ…」
 辻本のものは日本人男子としては巨根の部類だ。少なくとも、友紀の膣には酷なサイズだった。
「レイ様のお許しが出たよ。男をひとりイカせたら、友紀も出していいとさ」
 見れば、 2 本の細紐は解かれている。くっきりと残るその痕が、締め付けの容赦なさを示していた。
 辻本がそれをむんずと握る。
「…ああ…」
 友紀の両眼から涙が一筋流れた。これでやっと、楽になれる−−
「出したいか、友紀」
 そう辻本に問われて、
「…はい…」
「きちんとおねだりしてみな」
 こくり、と頷く。
「…友紀の中に、出してください…そして、友紀のペニスからも出させて…」
「ここまで溜め込んだんだ。いざ出すとなったら、苦しいぞ」
「…覚悟、しています…」
「では」
 辻本の腰がピストンを速める。それに同期するように、右手で友紀のペニスをしごく。
 ぱんぱん、と体積のある肉がぶつかり合う音。
 ごっしゅ、ごっしゅ、と友紀のそれが乱暴にしごかれる音。
「…あああっ…くるっ…こ、怖いっ…」
 友紀の下腹部で存在感を増す、大量のマグマ。このまま射精すれば、そのショックで心臓が止まる。そう思えた。
「まだだ。俺より先に出すなよ」
「…もう、だめ…いかせてっ…」
 愛らしい懇願が、辻本に引導を渡す。
「おうっ」
「…いくっ!…」
 辻本が果てるのと同時に友紀はまた昇り詰めた。
 ドピュ、ピュ。
 友紀の中に辻本の白濁が注ぎ込まれる。辻本の手は一層乱暴に上下する。
「…ああっ…出るっ…出ちゃうっ!…」
「イッちまえ」
 友紀の腰部が拘束台からぐん、と浮いたかと思うと、
 どぴゅううううううううッ!…
 友紀のペニスの先端から、大量の液体がほとびり出た。それは友紀自身にも、友紀にまとわりつく男たちにも、盛大にふりかかった。
「…あああッ…いくっ…死んじゃうっ!…」
 どぴゅううううッ!…
 硬直する友紀の身体。辻本は手を休めない。
「一滴残らず絞り取ってやるぜ」
 どぴゅううッ!…
 足指が折れそうなほどに反り返る。液体の量は減っていく。
 どぴゅうッ!…
「…うッ…ぐっ…」
 口から泡が噴き出る。全身がびくびくと痙攣する。
 どぴゅッ!…
「…うむっ…もう、だめ…」
 最後の一滴を放つと、友紀はそのまま気絶した。

6 無限射精

 2 番手は加藤だった。
 挿入された直後、友紀は意識を取り戻し、加藤の腰の動きに調子を合わせた。輪姦も一度始まってしまえば挿入と射精の単調な繰り返しのはずだった。
 犯されながら友紀は思う−−
 とうとう、全員の目の前で射精してしまった。しかも、あんなに派手に。
 でも、化け物扱いはされていないようだ。むしろ立派に欲望の対象とされている。
 拷問は終わった。輪姦は始まったばかりだけれど、射精できない苦しみからは解放されたのだ。
 20 人に代わる代わる犯されればそれは辛いはずだが、さっきまでの苦しみを思えば、堪えられる。
 あとは男たちの欲望が果てるまで、身を任せていればいい。
 これから先、私は麗のオモチャにされるのだろう。麗だけではなく、ここにいる男たちにも、たびたび弄ばれるのだろう。
 秘密は暴露されてしまった。でも、秘密を共有してくれる人が見つかったとも言える。
 ひとまず、良かった。
 つい、安堵の表情を浮かべる友紀であったが−−
「おおおっ!…」
 ドピュ、ピュ。
 やがて加藤も友紀の中で果てる。何度か腰を前後させて白濁を絞り出す。
 これで、 2 人−−加藤が離れて、次が来るだろう。
 それを確かめようと目を開くと、加藤がまだのしかかっている。右手はまだ、友紀のペニスをしごいていた。
 友紀を犯す間ずっと握っていたから、その惰性でそうしているのだろうか。
(…それとも、また射精させようとでもいうの?…)
 まさか−−
「…加藤さん…」
「何だ」
 加藤はけだるそうに言う。だが、その右手には力がこもっている。
「…私は、もう無理…だって、さっき…」
「さっき出したばかりだからか?」
 加藤は手を緩めない。
「たかが 1 回射精しただけで許してもらえるとでも思うのか?」
「…えっ…」
 辻本の手で一滴残らず絞り取られたはず。深い快楽に気絶さえしたのだ。
「…そ、そんなっ…」
 そんなはずではなかった。
「友紀?…さっき、あなたの望みを叶えたわよね。どんな条件だと思ったの?」
 麗にそう言われて、
「…男の人を一度いかせたら、私も…出していい、と…」
「そうよね。だから…いま加藤くんをいかせたのだから、また出していいのよ」
 麗の残酷な笑み。その企みを漸く理解して、友紀は青ざめた。
 「出していい」とは言うが、つまりそれは「出せ」と言っているのだ。
 男に一度犯されるたびに、友紀も射精しなくてはならなくなってしまった−−
「…む、無理っ…だって、さっき、あんなに…」
 そう言ってから恥じらう友紀だが、問題は今だけではない。
 男は 20 人。しかも一度ずつでは済まないかも知れないのだ。
 そんなに射精できるはずがない。でも無理矢理、させられるかも知れない。
 これまでの友紀の拙いオナニーは、射精したくなったらする、そして一度快楽を得たら終わり、というものだった。絞り取るがごとく二度、三度と射精を続けたことは全くないのである。
 加藤の手は休まず動き続けている。
「無理っていいながら、もうこんなに固くなってるじゃねえか」
「…あ…」
 つい今しがた、あれほど激しく射精した直後だというのに、それは再び充血の度を増している。
(…どうして?…)
 追加されたバイアグラの作用に違いなかった。ペニスを乱暴にしごかれ、ずーんという鈍痛と、剥き出しの神経を握り潰されるような激しい感覚が友紀を見舞った。
「…あぐっ!…ひいっ…」
 これまでとは違う、ねっとりとした脂汗が友紀の全身に滲んだ。
「そんなにしっかり勃起してるのは、射精したい証拠よねぇ」
「…ちっ…違いますっ…」
「違うはずがあるかよ」
 射精を堪えたり寸止めをされたりするのとは、別次元の辛さ。
 その感覚の奥に、再び絶頂の波が沸き立っていた。射精の予感だった。
「…やめてっ…もう、出ないっ…」
「また一段と固くなってきたぞ?」
 ローションが垂らされ、加藤の手が動作を速める−−
「…きゃあっ!…許してッ…苦し…」
 友紀の身体が台からぐん、と再び浮いて−−
「…あううッ!…」
 どぴゅッ!…
「ほーら出た」
 どっ、と台に沈み、がくがくと痙攣する友紀の身体。つう、と涙が一筋流れた。
 なおもしごく手を止めない加藤を、麗が制止した。
「よくやったわ。でも残りはとっておきましょ」
 ふう、と息をついて加藤が離れる。友紀のペニスは依然、ぎんぎんに充血したままだ。
 3 人目は設計の宍戸だ。
「いくぞ」
 挿入と同時に友紀のペニスを握る。だが、辻本や加藤に比べて扱いがひどくぞんざいだ。まるで操縦桿を握るかのように、ぐいぐいと捻り回してくる。不器用なのだろう。
「…あうっ…いや…もう、もう無理っ…」
 必死で懇願する友紀だが、宍戸は聞く耳を持たない。
「くくく…レイ様の奴隷になるんなら 2 回で音を上げてちゃ駄目だな」
 宍戸に射精させられれば 3 回目だ。さっきの余韻がまだ残っていて、次の予感はある。
「友紀ちゃんの射精、もう 1 回見たいなあ。もう 1 回だけ、出してごらん」
 友紀をなだめるようでいて、その実からかっているのがあからさまな口調。
 “もう 1 回”で済むはずがないのは、友紀にもわかっている。だから許しを請うているのだ。酸素を求めて喘ぎながら、宍戸を睨んだ。
「…適当なこと、言って…」
「ああ?」
 言ってから、しまったと思った。強気な台詞を吐いて事態が好転したことは、ここまでついぞなかったからだ。でも−−
 友紀は入社以来、宍戸に良い印象を持っていなかった。旧帝大工学部院卒のエリートで、私大文系の女子社員を見下している。友紀もまたその一人だったが、その態度に加え、女を品定めするかのような露骨な視線が厭でしょうがなかった。
 こんな奴に限って筋金入りの M であり、麗の調教の際にははまるで犬のようなのだ。今も麗の目の前でありながら、もともと友紀を狙っていたために、卑劣なオスのほうの本性が露わになっていた。
「くくく…わかるように説明してみろよ。何が適当だって?…」
 拙いピストンを浴びせながら言う。
 友紀が生理的に宍戸を嫌う最大の理由が、くくく…と相手を侮辱するような笑い方だった。今も嫌悪感がこみ上げている。縛られて、その宍戸に犯されている最中であっても、である。
「…わからないんだ」
「ああ?」
「もう 1 回、って言いましたよね。騙す気はないんでしょうけど、拙いわ」
 怒りのせいで官能が鎮まってきたために、友紀は余裕を取り戻しつつあった。
「何かと思えばそこか。つまらん言葉尻を捉えて反抗しやがって」
 私大文系の女に「拙い」と言われたのが癪に触ったらしい。がむしゃらにピストンを速める。力ずくで友紀をいかせ、精液を絞り取る気だ。だが、
「…そんなので、私をいかせるなんて、できないわ」
 思いがけず反撃に遭った。友紀も後に引けなくなっているのだ。
 じっさい、宍戸は他の男と一線を画して拙い。全身愛撫やクンニリングスに加わっているときも己れの指や舌の技術に手応えを感じられず、ローターやマイクロバイブを真っ先に持ち出したのだった。
 それは麗も重々承知していて、だからこそ“上位打線”に入れてやったのだが、友紀が前の 2 人ほどには感じていないのがよくわかる。素質というものだろう。
「さっきみたいに、卑怯なオモチャを使えばいいじゃないですか。また宍戸さんが最初ですね」
 覚えてやがったのか。しかも卑怯だと?−−
「お望みとあらば使ってやるよ。卑怯だと言うが、お前はそれで感じるんだろ」
「…ええ。あなたにではなく、オモチャにね」
 友紀が宍戸を嫌っているらしいことは麗も他の男もうすうす感じていた。みな事の成り行きを興味深く見守っていたが−−
「宍戸くん。友紀に言われっぱなしじゃないの。しっかりしなさいよ」
 宍戸の手に 2 台のマイクロバイブを渡しながら、麗が言う。友紀に一瞥をくれると、友紀は顔を背けた。
「すみません」
「つまらない言葉尻を捉えられたと言うけど、それこそ思う壺じゃないの」
「えっ」
 宍戸が聞き返すのと、友紀が麗を見上げるのと、同時だった。
「“もう 1 回”っていう部分に、友紀はどうして反感を持ったのかしらね?」
「それは−−」
「友紀の様子によっては、それこそ“もう 1 回”で終わるかも知れなかったんだけど」
 友紀はかっと目を開く。
「…嘘っ…」
「ああら」
 またしても麗の術中にはまったのを友紀は思い知った。
「わかるのね?…“もう 1 回”では済まない、って自分も承知してるのね」
 そのときの友紀の狼狽ぶりは、宍戸を奮い立たせるに十分だった。
 ピストンを再開する。そして、両手に持ったマイクロバイブで友紀のペニスの竿をなぞり始めた。
「…あっ!…く、ううっ…」
 友紀が「卑怯だ」と称した刺激のために、それはみるみる硬度を増していく。
「お前、まさかここにいる全員を相手にするつもりなのか?」
「…今さら、そんなこと…」
「当たり前だろうってか? 20 人がかりとは誰も言ってないんだが」
 墓穴を掘ったことになるのだろう。
「そもそも、この 20 人が全員、お前とやりたがると思うのか?お前がそうしたいだけじゃないのか?」
「…違いますっ…」
 額に脂汗が滲む。射精の直後で感度を極大にしているペニスに、マイクロバイブの蠢動は過酷すぎるのだ。
「くくく… 20 人にマワされると思うから、その数だけ射精させられると思ったんだよな。口ではもう無理っ、とか言ってるが、実はそういう願望もあるわけだ」
「友紀は恥ずかしい秘密や願望を暴かれるのが大好きなのよねぇ」
 麗が追い討ちをかけてくる。
 そのとき、 2 台のマイクロバイブが亀頭のくびれを抉り−−
「…きゃあッ!…」
 どぴゅッ!…
 友紀が背を湾曲させるのと同時だった。
「ああ?…俺が出す前に出したな。レイ様の言いつけを何だと思ってるんだ」
「 20 人にマワされて 20 回射精させられると思ったら、感じちゃったのよね?」
 麗が顔を覗き込んでくる。汗が全身にびっしりと浮いている。
「…違いますっ…今のはオモチャが…」
 はあはあと息を荒げながら言うと、
「なんだ。卑怯なオモチャがあれば出ちゃうの?なら 20 回でもいけるかしら」
「…むっ、無理です…許して…」
「じゃあまずは 10 回まで、がんばってみようか。あと 7 回よ」
 まず 10 回、と言いながら、 10 回では済まないだろう。
 だが、それを口にすればまた願望だと言われる。それで黙っていると−−
「あなたたち。友紀はやるって。連続 10 回がどんなに辛いか、よくわかるわよね?手伝ってあげて」
 男たちが色めき立った。
 彼らは皆がみな、麗の手で失神するまで連続で射精させられた経験がある。射精を繰り返すうちに精液は潮に変わり、そこが朽ちて落ちるのではないかと思うほど絞り取られるのだ。それが病みつきになって何度も麗の調教を受けるのだが。
 そうして 20 人がかりの全身責めがまた始まってしまった。宍戸がピストンを再開し、今度こそ自身も射精を果たした。

 それから 4 時間。
 20 人がかりでの輪姦が 2 巡目に入ったところだった。
「…いくっ…」
 びゅッ…
 もともといきやすい体質の友紀である。男が交代して、犯されるたびに、絶頂させられていた。そのたびにペニスから液体が噴き出す。精液は粘性をすっかりなくし、いわゆる潮吹きの状態になっていた。
「こうわかりやすくイッてくれると、犯りがいもあるってもんだよ」
「…お願い…少し休ませて…」
 喘ぎ喘ぎ懇願する友紀。だが、男たちの欲望が静まる気配はない−−
 もとはクリトリスだった友紀のペニスに対してバイアグラの効果は覿面で、いかに盛大な射精をしても硬度は落ちない。ましてローターやマイクロバイブを使われればひとたまりもなかった。
 もともと敏感な友紀の肌に感覚増幅剤もまた強烈な作用を維持しており、友紀の全身の性感は、何時間蹂躙されても、何十回絶頂しても、衰えなかった。もう体力の限界をとうに超えているはずなのに、いま初めて男の手で愛撫を受けたように呻き、悶える。それが男たちを調子づかせる。
 友紀は抵抗も許されず、輪姦、全身性感責め、連続射精の快楽地獄に呑み込まれていた。
「…ああっ…出るッ…」
 びゅッ…
 男ではこうはいかない。
(やっぱり、クリトリスだからかしらね…)
 麗は半ば呆れたような様子である。
(それとも天性の M だから?…)
 バイアグラや感覚増幅剤の効果を差し引いても、友紀の性的持久力は驚異的だった。小柄な身体のどこにあんなエネルギーが貯えられていたのか。
「…あ、あっ…許してっ…」
 男たちの貪る音や電動器具の無機質な音に混ざり、品のあるソプラノが響いている。
「…お願いっ…もう、いかせないでぇ…」
 ペニスの亀頭のほか耳、左右の乳首、臍などにマイクロバイブを当てられ、かぶりを振る友紀。その表情や泣き声が男たちの嗜虐心に油を注ぎ、責めを陰湿なものにしている。
 まるでそれを承知しているかのように、友紀は言葉での抵抗や懇願をやめない。男たちがより非道になり、自分に一層残酷な仕打ちをしてくるのを、友紀は望んでいるようだ。
「…あぐっ…だめっ、いくっ…」
 びゅッ…
 今また友紀の身体が拘束台から大きく浮き上がり、どっと沈む。
 涙が流れ落ちる。喜悦の涙だ。
 友紀は、フタナリ化した娘でなくては辿り着けない快楽に身を委ねていた。
 一瞬、菩薩の微笑のように見えた泣き顔は、
 もっと、苦しめて−−
 何も出なくなるまで、絞り取って−−
 そう言っているかのようである。
 まるで、これまで解放されなかった欲望を吐き出そうとでもするように。
(友紀の快楽に、男たちが奉仕する構図よね…)
 それを半ば呆れ顔で眺める麗である。

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